カテゴリー: カンボジア

  • 未来のために

    「オールドマーケットには、日本人の泥棒が出るですよ」

    そう聞かされたのは、最初に泊まったホテルのマネージャーでした。
    彼は週に二回日本語を習ってるとの事で、かなり日本語が流暢でした。

    その日本人は、片っ端から同じ日本人の観光客に声をかけ、
    食事に誘い、油断したところを狙って財布からお金を奪う、
    というのが、犯行の概要です。

    「私達カンボジア人も、旅行者の安全のために、
    Facebookなんかで連絡をとりあって、
    犯人を捕まえたいと頑張ってるんですが……」

    ふーん、そんな輩が居るのかと思いながらも、
    しかし海外に出てまでそんなセコい犯罪を犯す
    日本人が居るものかと半信半疑だした。

     

    カンボジア最終日前日。

    エアコンがないホテルに限界を感じ、3ドルほど高い代わりに、
    オールドマーケットに近く、エアコン付きで、しかも、広い部屋の
    ホテルに移った僕は、かなり調子が良く、暑いさなか、
    街へと繰り出したのです。

    さて、昼ごはんでも食べるかと、観光客で賑わう街を
    うろうろとしていると、みずぼらしい恰好で、
    赤ん坊を抱いた少年がふくよかな白人の女性に、
    物乞いをしている所に出くわしました。

    明らかに、詐欺です。
    このところ、カンボジアにはそのような少年犯罪が
    増えていると聞いていました。

    「気を付けて。これはそういう商売です」
    僕は思わず、その白人女性に警告をしてしまいました。

    大きく目を見開いて、彼女は僕にお礼を言い、
    少年にNoと伝えると、行ってしまいました。

    「What did you say?  Do you wanna trouble?」

    少年はお金がもらえる望みが無くなったのを見て、
    僕を睨み、殴りかかってきました。

    白人女性が少年にお金を恵んでも、せいぜい1ドル程度。
    彼女も1ドル程度なら困ることはない。
    僕は自分がしている事に自信を無くしてしまいました。

    しかし、その夕方の事です。

    そろそろ夕飯のあたりを付けようと、パブストリートに並ぶ
    店のメニューをチェックしていると、後ろから声をかけられました。

    「おーい。何してんの?」

    軽く、チャラいしゃべり方。
    振り返るとカンボジアの衣装を身にまとい、髪と髭を伸ばした
    背の高い男がそこに立っていました。

    言葉のイントネーションからしても、明らかな日本人です。
    日本人がこんなに馴れ馴れしく声をかけてくるなんて、不自然この上ない。

    ホテルのマネージャーが言ってた日本人の泥棒は彼だ、と直感しました。

    関わり合いにならぬように逃げ、その辺りで客引きをしていた
    トゥクトゥクの運転手を手招きしました。
    イーストウッドに似た、初老の男でした。

    トゥクトゥクの運転手「どうした?」

    僕「あの日本人、知ってる? この辺で問題になってると思う」

    トゥクトゥクの運転手「ああ、知ってる。あの日本人だろ?」

    やはり件の泥棒は彼でした。
    この地域の治安を守らないと観光産業に支障をきたすので、
    なんとか捕まえようとしている事も、教えてくれました。
    いつもは客引きで鬱陶しい彼らですが、こういう時は頼りになります。

    トゥクトゥクの運転手は「気にかけてくれてありがとう」というような事を言って、
    握手をすると、自分の車両に戻って行きました。

    『もし、あの少年がそのまま大人になったら?』

    僕には、少年とあの日本人の泥棒のイメージがダブります。

    方や、食べていくために。
    方や、自分が楽をするために。

    動機は違ったとしても、
    一度、人を騙す事が悪い事だと認識しなくなったら、
    結局は同じ所に堕ちていくでしょう。

    人間は楽な方へ流れていく。
    だから、他の生き方ができなくなる。

    僕が白人の女性に耳打ちしたのは少年にとって
    怒り狂うくらい理不尽な事だったと思う。

    だけど、少年。
    僕はあの時、彼女ではなく、君のために耳打ちしたんだ。
    理解できないかもしれんけど。

  • アンコールワットの夕陽

    アンコールワットの朝陽を見た後、昼寝をした僕は、
    市内観光出かけようとしたんですが、バスの中で知り合った子が、
    アンコールワットを見終わり、暇を持て余しているとの事で、
    一緒に回る事にしました。

    「じゃあ、ホテルまで迎えにいきます」と言ってくれた彼でしたが、
    しかし、ここでGoogle MAPのトラップにかかってしまいます。

    Google MAPでは基本的に、東南アジアの住所は
    その国の言葉でしか使えないようで、
    英語で住所を入力して検索すると、あいまい検索に移行し、
    とんでもない場所に連れて行かれることがしばしばあります。

    なので、アジアでMAPを使う際は、まず周辺のホテルとか、
    デパートなどをサイト検索してから、そのホームペジの地図を利用する、
    あるいは、MAPに飛んだ方が確実です。

    14時に待ち合わせのつもりが、会えたのが16時近くになっていて、
    気がつけば、もう陽が沈む時間になっていました。

    僕「一日で、朝陽と夕陽見れたら最高だよね」

    バスで知り合った子「行っちゃいますか」

    僕「行こう!」

    という感じで、今度は昼間借りたレンタサイクルで
    アンコールワットを目指します。

    今度はアンコールワットの東に位置する山。
    その山にも遺跡があり、かなり高い所から
    夕陽を見る事ができるとの事でした。20140919_103227615_iOS

    これが山の上の遺跡。

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    まるで、RPGの世界に出てきそうな景色でした。
    ただし、

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    こんなに人が多くなければ。

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    刻一刻と、陽が沈んで行きます。

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    できるだけ人が入らないように一枚。

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    持っていったiPhoneでは、これが限界。

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    ほぼ、沈みきった夕陽。

    遺跡は人でいっぱいで。
    その中でも本ッ当に中国人のマナーは悪かった。

    立入禁止の区画に入る。
    集団で割り込む。
    うるさい。

    僕が写真を撮ってるその真ん前に、胸に飛び込んできたくらいの勢いで、
    おばちゃん達が割り込んできた時は、さすがに声を荒らげました。
    しかも、景色じゃなくて自画撮りしてるの!

    美しい景色も台無し。
    あー、だから写真って価値があるのか?
    静かに見れるから。

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    とにかく、その後はパブストリートに繰り出して、
    夕飯&ビールを一杯。

    あんまり飲めないけど、付き合いくらいに飲みました。

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    おまけ。

    僕達が食事してたテーブル下に入り込んで来た猫。

     

  • アンコール・ワットの朝陽

    〜今までのあらすじ〜

    ホーチミン市から、長距離バスに乗ること15時間。
    夜10時を回って、シェムリアップに着いたはいいものの、
    ホテルまでトゥクトゥクで走り、部屋に入ったのはすでに、
    23時を過ぎようとしていた!
    ていうか、気がついたら日付変わってたッ!!

    アンコール・ワットの朝陽を見ようと思ったら、
    寝て、起きるまで3時間ほどしか時間が無かった。

    以上。

     

    まー、起きましたけどね。

    何が凄かったかって、「4時に起こしてね」ってお願いした
    ホテルのスタッフの方がきっちり4時20分に電話かけてくれた事ですね。

    覚えてもらってただけ、良かったのか?

    AM 4:30頃

    それはともかく、実はバスの中で知り合った日本人と
    アンコールワットの朝焼けを見る約束をしていたので、
    間に合うように、急いで支度してトゥクトゥクに乗り込みます。

    途中、見た夜空にはたくさんの星がまたたいていて、
    それがとても印象的でした。

    AM 5:00頃

    途中、アンコールワットへの入場券を買います。
    1日券20ドル。3日券で40ドル。

    3ドルもあれば、屋台でお腹いっぱい食べられる国で、20ドルは高い。
    だけど、この先、僕の人生でこの国を訪れるチャンスはほぼ無いでしょう。

    ちょっと迷ったものの、思い切って3日券を買いました。

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    夜明け前。

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    AM5:45頃。
    だんだんと、夜が白み始めてきます。

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    AM6:00頃
    朝陽が昇ってきました。

    僕たちはアンコールワット西門という、
    わりとベタなロケーションを選んだんですが、
    ベタって事は、王道であり、一番良い選択だったような気がします。

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    すっかり陽が昇って、西門からアンコールワットに入ります。

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    朝陽を帯びた城壁(?)の塔

     

     

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    壁一面に細かいレリーフが残っています。

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    天女達。

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    ひと通り建物内を見て、出てきた時には、
    真っ青な空が広がっていました。

    Jpeg

    ↑朝食。

    アンコールワットの入口付近では、
    しきりに朝食を売りつけようとする商売人が居ます。

    メニューには5ドルと書いてあって、
    上の写真とは似ても似つかない写真が乗ってます。

    要らないというと簡単に3ドルまで下がります。
    それでも躊躇してると、2.5ドルになり、
    ついには、2ドルになったんですが、
    出てきた料理の酷さに全員が絶句。

    おまけに、ところどころまったく甘くない部分もあり、
    おそらくは前の料理を作ったフライパンを
    ちゃんと洗ってなかったものと思われます。

    とりあえず、眠かった僕は一人宿に戻って3時間ほど昼寝をする事にしました。

    続く

     

     

  • カンボジア!

    ※これは2014/09/18に書かれた日記です。

    (さらに…)

  • バス芸人〜何の目出して、そのバスに乗ってるんだい〜

    さて、明後日から私はカンボジアは
    北部の遺跡、アンコールワットに向かいます!

    えぇ、バスで。

    だって、飛行機で行ったら、どんなに安くても、
    1万円くらいするでしょ?

    バスで行ったら、26ドルなんだもん。
    そりゃ、12時間の苦行にも耐えますって!

    iPhoneのappでクロノトリガーも買ったし、
    12時間くらい余裕でしょw

    あ、

    あれ?

    ……今調べたら、最低14時間かかるって言われた。
    12時間なんて嘘っぱちだって。

    あーあ。